福岡高等裁判所 昭和58年(行コ)7号 判決 1985年4月24日
長崎市魚の町七番七号石橋ビル
控訴人
有限会社東洋商事
右代表者代表取締役
村里忠
右訴訟代理人弁護士
木村憲正
長崎市魚の町六町一六号
被控訴人
長崎税務署長
永村和夫
右指定代理人
堀江憲二
同
公文勝武
同
岩田登
同
坂田嘉一
同
戸田信次
主文
1 本件控訴をいずれも棄却する。
2 控訴費用は、控訴人の負担とする。
事実
控訴人は「原判決を取消す。被控訴人が控訴人に対し、昭和五一年七月二三日付でなした、(イ)控訴人の昭和四七年六月一日から昭和四八年五月三一日までの事業年度分の法人税についての原判決別紙目録(一)の、(ロ)控訴人の昭和四八年六月一日から昭和四九年五月三一日までの事業年度分の法人税についての原判決別紙目録(二)の、各法人税額等の更正及び加算税賦課決定処分を取消す。訴訟費用は、第一、二審を通じて全部被控訴人の負担とする。」との判決を求め、被控訴人は主文同旨の判決を求めた。
当事者双方の事実上の陳述と証拠の関係は、次のとおり付加するほか原判決事実摘示(原判決別紙目録(一)、(二)、同別表一、二、三を含む。)及び本件記録中原審、当審各証拠目録に記載のとおりであるからこれを引用する(但し、原判決一四枚目裏一二行目の「にも及び」とあるのを「にも及ぶ」と訂正し、別表二の番号20の地番に「一四七二-一」とあるのを「一四七二(但し当時分筆前の旧地番)」と訂正し、本件記録中原審の書証目録の「標目等」欄の甲一号証の括弧内は代金一億三〇二四万九六〇〇円と、甲二号証の括弧内は代金一億〇〇三三万六一五〇円と訂正する。)。
一 控訴人の主張
原判決別表二、三記載の各土地の売買契約において、控訴人と訴外葵物産の間に、代金完済まで所有権を留保し、所有権移転登記手続は、右代金完済と引換えになす旨の特約があったことは、すでに述べたとおりであり、控訴人は、右所有権移転登記手続につき代金全部の受領と引換えにのみなすよう司法書士及び控訴人の事務員に指示していた。しかるに同人らの過誤により、一部物件につき代金完済前に所有権移転登記を経由してしまったのであって、かかる控訴人の真意によらない所有権移転登記経由をもって法人税法基本二-一-一の「引渡し」があったとするのは失当である。
二 被控訴人の答弁
控訴人の右主張を争う。
理由
当裁判所も、本訴請求はいずれも失当として棄却せらるべきものと判断する。その理由は、次のとおり付加訂正するほか、原判決理由中に説示されているところと同一であるからこれを引用する。
一 原判決二二枚目表六行目の「あることは」を「あること、被控訴人が否認した項目についての否認理由が被控訴人主張のとおりであることは」と改める。
二 原判決二二枚目裏二行目の「一ないし六、」の次に「第三〇号証の一ないし九六、同第三一号証の一ないし九六、同第三一号証の一ないし一〇一、」と同行三行目冒頭の「証、」の次に「第三二ないし第三四号証、と各挿入し、同三、四行目の「これにより真正に成立したと認められる」とあるのを「これにより原本の存在及び成立の真正が認められる」と改め、同五、六行目の「原告代表者の尋問の結果(第一、二回、後記措信しない部分を除く。)」とあるのを「原審(第一、二回)、当審控訴人代表者本人の各供述の各一部に弁論の全趣旨」と改める。
三 原判決二三枚目表六行目の冒頭に「右は、前記事実三の1の(二)の(1)、同2の(二)の(1)に各記載の売買に関する契約であるが、」と挿入し、同一〇行目の次に以下のとおり付加する。
「なお、右第一、第二号各契約における代金の弁済と目的物の明渡し、所有権移転登記手続の各履行及び目的物件の所有権移転時期に関しては、各契約書に次の趣旨の記載があり、その内容に従った合意がなされたものである。
(イ) 第一号契約、葵物産は、控訴人に対し、契約時に手付金二六〇〇万円と中間金七四八三万八四〇〇円を支払い、手付金は売買代金の一部に充当する。控訴人は、同年四月三〇日までに目的物を葵物産に明渡し、かつ所有権移転登記手続を完了する。葵物産は、控訴人が右の履行をなすと同時に残金二九四一万一二〇〇円を支払う。同時に所有権も移転するものとする(前掲甲第一号証参照)。
(ロ) 第二号契約、葵物産は、控訴人に対し、契約時に手付金二〇〇万円と中間金六一六万一六〇〇円を支払い、手付金は売買代金の一部に充当する。控訴人は、同年六月三〇日までに目的物を葵物産に明渡し、かつ所有権移転登記手続を完了する。葵物産は、控訴人が右の履行をなすと同時に残金七四一七万四五五〇円を支払う。同時に所有権も移転するものとする(前掲甲第二号証参照)。
四 原判決二三枚目表一一、一二行目の「五月三一日までに一億三七〇〇万円、」とあるのを「同年五月三一日までに、前記第一、第二号契約における各手付金、中間金合計一億二七〇〇万円を含む一億三七〇〇万円(前掲乙第二号証参照)、」と改め、同一二行目の「二〇〇〇万円」の次に「(前掲乙第三号証参照)」と挿入し、同一三行目の「右土地代金の一部」を「右第一、第二号契約における各土地代金の一部」と改める。
五 原判決二三枚目裏五行目の「別表二の土地」の次に「(同表中1ないし53の各土地は第一号契約、同54ないし57の各土地は第二号契約にかかる各物件)」と挿入し、同一〇行目の「なお、右売買契約書には」とあるのを「なお、前述の如く、本件各売買契約書には」と改める。
六 原判決二四枚目表九行目の「依頼している。」を「依頼している(前掲乙第二三号証の一ないし三参照)。」と改める。
七 原判決二四枚目裏二行目の「原告代表者から同三行目の「措信しがたく、」までを「前記原審(第一、二回)、当審控訴人代表者本人の供述中右認定に反する部分は措信し難く、」と改め、同一二行目の末尾に「この認定を左右するに足る証拠はない。」と付加する。
八 原判決二五枚目表一行目の「一ないし八、」の次に「第三一号証の四一ないし四三、一〇一、」と挿入し、同一、二行目の「原告代表者の尋問の結果(第一、二回、後記措信しない部分を除く。)」とあるのを「原審(第一、二回)、当審控訴人代表者本人の各供述の各一部」と改め、同七、八行目の「所有権移転登記がなされたこと、」を「所有権移転登記手続がなされたこと、」と改め、同八行目の「原告は、」から同九行目の「二筆についてのみ」までを「控訴人は、右各土地のほか同所一六〇三番一の山林を、別表三記載の各土地と同様前主林田壽二から購入したにも拘らず、その内から右別表三記載の二筆についてのみ」と改め、同一〇、一一行目の「原告代表者尋問の結果中」とあるのを「原審(第一、二回)、当審控訴人代表者本人の各供述中」と改め、同裏四行目の「考えられるのに」の次に「、全立証を検討しても、」と挿入し、同七行目の末尾に「他に以上の認定を左右するに足る証拠はない。」と付加する。
九 原判決二五枚目裏八行目から同二六枚目表一〇行目までを次のとおり改める。
「3 ところで、成立に争いなき乙第二〇号証の一、二によると、法人税基本通達二-一-一は『たな卸資産の販売による収益の額は、その引渡しがあった日の属する事業年度の益金の額に算入する。』と定め、被控訴人は、これに基づき、別表二の各土地については四八年五月期に、別表三の各土地については四九年五月期に、夫々引渡しがあったので、各売上げは夫々当該事業年度の売上げに加算せらるべきものと主張している。
前述の如く控訴人は宅地建物取引業者で、本件各土地は葵物産の依頼により、同社に売渡すため控訴人が買収したものであるから右のたな卸資産に該当することは明らかである。
よって被控訴人の主張を検討するに、収益の帰属時期認定の基準に関して法人税法第二二条四項は、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従うべきことを要求しているところ、企業会計原則(昭和四九年八月三〇日改正前の旧企業会計原則)第2の3のBは『売上高は、実現主義の原則に従い、商品の販売又は役務の給付によって実現したものに限る。』と規定し、右改正後の企業会計原則第二の三のBも同旨である。これにてらすと、前記の法人税基本通達二-一-一の引渡基準は、商品の販売の実現の時を基準とすることを具体的に表現したものであって、法人税法第二二条四項に適合する妥当なものとして肯認することができる。
そこで商品につき売買契約が締結された場合、どのような事実があれば右の引渡しが肯定されるかを考えると、その売買契約に代金債権担保目的による所有権留保特約があったとしても、必らずしもその契約上の所有権移転にこだわることなく、当該売買契約に基づいて目的物の現実の支配が移転した場合は引渡しがあったと認めるのが相当で、不動産の場合、売主から買主に登記関係書類が交付されたか否か、代金の全部又は一部が支払われたか、売主の合意によって所有権移転登記を経由したか否か等を指標として合理的に判断すべきものと解される。しかして前述の如く本件第一第二号契約は夫々所有権留保の特約が付されているが、これは前記各契約内容にてらして売買代金担保の目的であったと認められ、この認定を左右するに足る証拠はない。
以上の観点から前記認定の事実を要約すると、
(イ) 別表二の各土地中1ないし53は、第一号契約の目的物件の一部であるところ、右契約の目的物件合計九五筆の代金総額一億三〇二四万九六〇〇円中手付金と中間金の合計一億〇〇八三万八四〇〇円(代金総額の七七%)は、昭和四八年五月三一日までに支払われており、うち別表二の各土地中1ないし53は、控訴人の意思に基づき、同年四月一六日、葵物産に対する所有権移転登記が経由されている。ちなみに、第一号契約における目的物件の総面積は二七万七七九二m2で、うち別表二に記載の1ないし53の各土地の合計面積は、一三七万七一〇二m2(全体の四九%強)である。
(ロ) 別表二の各土地中54ないし57並びに別表三の各土地は、第二号契約の目的物件の一部であるところ、右契約の目的物件合計一〇〇筆の代金総額一億〇〇三三万六一五〇円中手付金と中間金の合計二六一六万一六〇〇円(代金総額の二六%強)は、昭和四八年五月三一日までに支払われており、うち別表二の54ないし57の各土地は控訴人の意思に基づき、同年四月一六日、別表二の他の各土地と同時に葵物産に対する所有権移転登記が経由され、別表三の各土地も、控訴人の意思に基づき、昭和四九年一月四日、中間省略登記の方法により控訴人の前主林田壽二から直接葵物産に対する所有権移転登記が経由されている。ちなみに、第二号契約における目的物件の総面積は二一万三、九九五m2で、別表二の54ないし57並びに別表三の各土地の合計面積は、三三七六m2(全体の一・五七%強)である。
(ハ) また、葵物産は、前記の各支払いを含めて、第一、第二号各契約の各目的物件の代金として昭和四八年五月三一日までに一億三七〇〇万円、その後同年七月一〇日頃までに二〇〇〇万円の合計一億五七〇〇万円(第一、第二号各契約による代金総額二億三〇五八万五七五〇円の六八%強)を支払っている。
右のとおりであって、第一、第二号契約共、夫々支払われた代金合計額の各代金総額に対する割合は、右各契約に基づき所有権移転登記を経由した各物件の合計面積が各目的物件総面積に占める割合を超えていることが明らかである。このことと、第一、第二号契約共多くの土地についての売買契約で、前記各契約内容にてらしてもその一部についてまず所有権を移転することを禁ずる趣旨は窺えず、また売主が所有権移転登記に協力することは、通常完全な権利移転を承認したことを意味することなどを考えると、前記各所有権移転登記は、控訴人と葵物産が合意の上、これらの各土地が支払いずみの代金の一部に対応するものとして所有権を移転するため手続を行ったと認めるのが相当である。してみると、右各登記を経由した別表二、三各記載の各土地はすでに前述の趣旨における『引渡し』ずみであり、その引渡してなされた時期は、右の各登記を経由したときと認めるのが相当である。
よって、第一号契約の目的物件中別表二に記載の1ないし53の各土地と第二号契約の目的物件中別表二に記載の54ないし57の各土地は、昭和四八年四月一六日(四八年五月期)に、第二号契約の目的物件中別表三に記載の各土地は、昭和四九年一月四日(四九年五月期)に、夫々『引渡し』がなされたものと認めることができる。
原審(第一、二回)、当審控訴人代表者本人及び当審証人小川勇一の各供述中以上の認定に反する部分は採用できず、他に以上の認定を左右するに足る証拠はない。
一〇 原判決二六枚目裏九行目の「現実に」から同一〇行目の「損金として」までを「物件の返還がなされた日の属する事業年度の売上高から控除して」と改める。
一一 原判決二七枚目表一一、一二行目の「第六ないし第一七号証及び第二六号証」とあるのを「第六ないし第一七号証、成立に争いなき同第二六号証」と訂正する。
一二 原判決二八枚目表二行目の「五〇四・五六平方メートル)」を「五〇四五六平方メートル)」と訂正し、同五行目の「登記手数料等」と訂正し、同八行目と一〇行目の各「棚卸商品高」を夫々「期末商品棚卸高」と訂正する。
一三 原判決二八枚目裏三行目の「自白したものと認むべきところ、」を「自白したものとみなすべきところ、」と訂正する。
一四 原判決二九枚目裏七行目の「すべきであり、」を「すべきである。前掲乙第二九号証によると、大浦の土地の固定資産税は控訴人代表者個人が負担し、四八年五月期に五万四五四一円、四九年五月期に二万九六三六円を夫々支払ったことが認められる。この認定を左右するに足る証拠はない。そこでこれらを控訴人の経費として、」と改める。
一五 原判決二九枚目裏九行目の次に以下のとおり付加する。
「四 以上認定の二の5、6と三の各事実をあわせると、四八年五月期分の控訴人の申告金額は、別紙(一)のとおり改められるべきもので、同期の控訴人の所得金額は、五四一七万〇五八三円となることが明らかである。この額は、被控訴人の更正処分額五四一七万〇五八八円と五円の差を生ずるが、これは被控訴人が同期の期末商品棚卸高を計算するとき、誤算して五円多く認定した結果である。しかしこの違算は、被控訴人主張のとおり更正処分の税額に影響を及ぼさない。以上の認定を左右するに足る証拠はない。」
一六 原判決二九枚目裏一〇行目の冒頭の「四」を「五」と改めた上、同一一行目の「ついては、」を「ついて。弁論の全趣旨にてらすと、右二七一万一八八二円は、被控訴人主張の如き美術品等減価償却費一五九万九二二〇円と庭園減価償却費一一一万二六六六二円と認めることができる。しかし、」と改め、同三〇枚目表三行目の末尾に「この認定を左右するに足る証拠はない。」と付加し、その次に更に左のとおり付加する。
「 四九年五月期の事業税過少四〇二万五五二〇円について。四八年五月期の申告所得金額二〇六二万四五八二円と前記認定の所得金額五四一七万〇五八三円の差額三三五四万六〇〇一円(一〇〇〇円未満切拾で三三五四万六〇〇〇円)に対し一二%の事業税(地方税法七二条の二二)が追加課税されるから、その相当額四〇二万五五二〇円は事業経費となる。
六 以上認定の二の5、6と三ないし五の各事実をあわせると、四九年五月期分の控訴人の申告金額は、別紙(二)のとおり改められるべきもので、同期の控訴人の所得金額は、五四六万三五八三円の欠損となることが明らかである。
なお、別紙(二)の<4>期首商品棚卸高は、被控訴人の更正額にくらべて五円少く、同期末商品棚卸高も同様五円少いが、これは四八年五月期における前記被控訴人の誤算によるもので、四九年五月期の場合は爾余の計算に影響を及ぼさない。
以上の認定を左右するに足る証拠はない。」
一七 原判決三〇枚目表四行目から同三一枚目表四行目までを次のとおり改める。
「七 四八年五月期の税額について
(一) 以上の理由により、四八年五月期の控訴人の所得金額は五四一七万〇五八三円と更正せらるべきところ、課税標準の計算上は、国税通則法第一一八条一項により五四一七万円となるから、五四一七万〇五八八円とした本件更正処分は税額の計算に影響を及ぼさず、右に基づく法人税額が二〇八二万二九〇〇円となることは、これに関する法規及び計数上明らかなところである。
(二) 四八年五月期過少申告加算税について。
以上認定の事実によると、被控訴人が控訴人の過少申告に対して、国税通則法第六五条一項に基づく加算税(右法人税額二〇八二万二九〇〇円と申告額七七六万〇四〇〇円との差額の一〇〇分の五)の賦課決定処分をしたことは理由があり、その額が六五万三一〇〇円となることはこれに関する法規及び計数上明らかなところである。
八 四九年五月期の税額について
(一) 前記の事実関係にてらして、被控訴人が申告所得である四三八万三二二二円の欠損を五四六万三五八三円の欠損と更正したのは理由があることが明らかである。しかし、いずれにせよ欠損であるから法人税法第六六条の法人税の課税標準たる所得金額は無であって、右更正決定の前後を通じて同条による法人税額は零となることが明らかである。
(二) 但し、控訴人は、事実三の2の(一)の表(2)に記載の<4>のとおり課税土地譲渡利益金額五五万円の申告をしているが、弁論の全趣旨にてらすと右は諫早市貝津町一二八八-一の土地の土地譲渡利益金にかかるものである。しかし、前記別表三の各土地である琴海町尾戸郷字上松尾一六〇三-二、同所一六〇五の各土地(一〇九八m2)は、控訴人の前述の取得及び譲渡の事実にてらして、控訴人が租税特別措置法第六三条一項一号(昭和五七年法第八号による改正前の規定)に定める譲渡をなした土地に該当するから、その譲渡利益は同法に定める特別課税の対象となることが明らかである。よってその譲渡利益額を検討するに、前掲乙第一七号証と前記認定の二の1の(一)の事実(坪当り価額)をあわせると、別表三の各土地の売上額(土地の譲渡による収益額)は、五一万四六〇〇円であることが認められる。そうして、その原価は、前記二の末尾に認定の如く二五万一六八七円であるから、右の原価と租税特別措置法施行令第三八条の四に基づき右の原価に夫々一二カ月に対する保有期間(前記認定の登記経由の事情にてらして一カ月と認める)の割合を乗じ、各六%と四%を乗じて得た法定の負債利子一二五八円と法定の一般管理費八三八円を前記売上額から差引いた土地譲渡利益金額二六万〇八一七円(課税標準額は二六万円となる)に前記租税特別措置法第六三条一項の定める税率一〇〇分の二〇を乗じると五万二〇〇円となり、これは控訴人が四九年五月期において別表三の土地の譲渡に関する法人税として更に支払うべき金額となる。
以上の認定を左右するに足る証拠はない。
(三) してみると、控訴人が、四九年五月期の課税土地譲渡利益金額を、申告にかかる五五万円から右二六万円加算の八一万円となし、納付すべき税額を、申告にかかる五万〇七〇〇円から右五万二〇〇円加算の一〇万二七〇〇円と更正した処分も理由があるということができる。」
一八 原判決三一枚目表五行目冒頭の「八」を「九」と改める。
よって同旨の原判決は相当で、本件控訴はいずれも理由がないから行政事件訴訟法第七条、民事訴訟法第九五条、八九条を適用して主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 西岡徳壽 裁判官 岡野重信 裁判官 松島茂敏)
別紙(一)
四八年五月期分(事実三の1の(一)の表参照)
<省略>
<省略>
別紙(二)
四九年五月期分(事実三の2の(一)の表参照)
<省略>
<省略>